わたしケイティ・チャンドラー、自慢じゃないが、恐ろしく普通の女の子。テキサスの田舎から出てきてほぼ1年になる。
ニューヨークは変わった街だとさんざん聞かされてはいたが、これほどとは思わなかった。背中に妖精の羽をつけた若い女性や耳のとがったエルフ(?)、教会の屋根にいたりいなかったりするガーゴイル……。いまだに毎日が驚きの連続だ。でも、ニューヨーカーたちは振り返りもしない。変なのはこの街? それともわたし?
ボーイフレンドはできないし(実はハイスクール以来、ちゃんと男性とおつきあいしたことがない)、会社の女上司は二重人格とくる。週末ごとのブラインドデートにも、ヒステリー上司の言うなりになるのにもいい加減もううんざりだ。かといって、このまますごすごと故郷に戻るわけにもいかない。
ところがそんなある日、思いもかけず素晴らしい転職の話が舞い込んできた。え? こんな平凡このうえないわたしにヘッドハンティング? でもちょっと待って、うまい話には必ず裏がある。本当にこの話大丈夫なの……
現代のニューヨークはマンハッタンを舞台にした、おしゃれでキュートなファンタジー。魔法版『ブリジット・ジョーンズの日記』!