あの、銃をぶっ放す威勢のいいおばあちゃんを憶えていますか?
ニューベリー賞オナーを受賞し、日本では産経児童出版文化賞〈賞〉を受賞した傑作『シカゴよりこわい町』、そしてニューベリー賞を受賞した続編『シカゴより好きな町』。
シカゴの都会っ子兄妹が夏休みに訪ねたおばあちゃんは、大柄なうえに型破り。大ボラはふく、法は無視する、牛乳瓶にはネズミを入れる……。田舎なんて死ぬほどつまらないと思っていた兄妹の度肝をぬいてしまう。愉快で痛快で、それでいてほろりとさせる、そんな味わい豊かな物語。
著者リチャード・ペックは、2001年には児童文学作家初となる〈米国人文科学勲章〉を授与され、いまやアメリカを代表するヤングアダルト文学作家です。
そのペックが次に読者に贈るのが、本書『ミシシッピがくれたもの』。
心揺さぶる感動の傑作です。
ミシシッピ川のほとりの小さな町に住むティリーおばあちゃんは、少女時代、母親と、双子のきょうだいノア、幽霊が見える妹キャスとの4人で暮らしていた。ある晩、大都会ニューオーリンズから、2人の謎の少女デルフィーンとカリンダがやってきて、生活は一変する。
きらきらした日々が続くなか、双子の16歳の誕生日の前日、ノアは南北戦争に行ってしまった。ノアを連れ戻すため、ティリーはデルフィーンとともに、生まれて初めて町を出る――
15歳の僕が初めて訪れた父の故郷で聞いた、祖母の少女時代の思い出。ミシシッピの幽霊の話、亡き妹の話、南北戦争の話、そして南部から逃げてきた2人の謎の少女のこと……。少年が大人になった、心温まる夏の1週間。
秘められた歴史を題材に、ニューベリー賞受賞作家が放つ、アメリカの深部に迫る話題作です。