クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブ。
フリーライターとして活躍する高原晶は、大手出版社の編集者である塩谷とともに、渋谷の片隅に新しいタイプのホストクラブclub indigoを開く。表向きのオーナーは、経歴等すべて謎に包まれた美形の男・憂夜。ホストを務めるのは、ジョン太、DJ 本気(マジ)、犬マン、アレックスなど、ひと癖もふた癖もある“いまどき”の若者達だ。
そして、indigoのスタッフと客が巻き込まれた事件を見事解決したことを機に、主人公・晶とホストたちのもとには夜の街で起こるさまざまな事件の調査依頼が舞い込むようになる――。
スタイリッシュな文体と、“ホスト探偵団”の個性的なキャラクターが活き活きと描かれた『インディゴの夜』シリーズ。先日刊行した第3弾『インディゴの夜 ホワイトクロウ』が好調ですが、そのシリーズ第二作『インディゴの夜 チョコレートビースト』がいよいよ文庫で登場します。
indigo の面々もパワーアップし、夜の街を駆けめぐります。
『インディゴの夜 チョコレートビースト』
さまざまな方面から“夜のストリートのトラブル”の調査依頼が寄せられる中、今回 indigo の仲間たちが相対する事件とは――。
産婦人科で取材中の晶を、歌舞伎町〈エルドラド〉No.1ホストの空也が訪ねてきた。空也の美貌と濃厚フェロモンに恍惚となる妊婦と看護師たちに呆れつつ、晶は彼を外に連れ出し事情を聞く。「新宿歌舞伎町、六本木の人気ホストが連続で襲撃された事件を調べて欲しい」と依頼する空也、さらにもっとも疑わしい人物は、空也のヘルプを務める新人ホスト・樹だという。晶と indigo のホストたちは樹の周囲を探りつつ、事件の調査に乗り出すが――「返報者」。
海外でのバカンス帰りのなぎさママに連れられ南平台の店を訪ねた晶は、全身黒づくめで、片言の日本語を話す強盗団に遭遇する。絶体絶命の危機をなぎさママお得意の柔道技で乗り切るが、晶の失態でママの愛犬・まりん(通称=43万円)が連れ去られてしまう。強盗団にたどり着くヒントは、犯人の背中にかすかに見えた龍の刺青だけ。晶の名誉挽回のために、店のホストたちが向かったのは――「チョコレートビースト」。
他2編、「マイノリティ/マジョリティ」「真夜中のダーリン」を収録。人気イラストレーター・ワカマツカオリ書き下ろしカバー&扉絵もお楽しみに。