複雑な生い立ちのため、ひきこもりとなった鳥井真一と、その親友・坂木司がおりなす青春ミステリ第1弾が、いよいよ創元推理文庫に登場! カバーも新しくなりました。
子供のような視点と、大人の鋭い感性その両方が同居した、不思議な名探偵・鳥井真一。彼を支える坂木司、そんな二人が出会う、事件や謎。純粋であるがゆえに、悩み、泣き、そして感動しながら解決していく二人の姿に、ぐいぐいとひきこまれていきます。
おいしい料理に、魅力的なキャラクターも数々登場する、著者のデビュー・シリーズです。
ひきこもりとはいっても、最低限の買い物はできるコンピュータープログラマー・鳥井真一。僕、坂木司は外資系の保険会社の営業を仕事にしている。なぜ、外資系の保険会社を選んだかといえば、僕に依存した生活を送っている鳥井のため。残業もせず、休日は極力鳥井と過ごすのが僕の生活のパターン。外の世界に連れ出すために、僕の身のまわりで起こった不思議な出来事や謎を彼に話して聞かせるのが、僕の役割だ。
鳥井の特技は、プロ顔負けの料理。得意のインターネットで仕入れる食材によって生み出される和洋中の絶品料理に加え、地方銘菓の数々が食卓にのぼる。ビストロであり、和食処であり、中華飯店でもある鳥井の食卓には、彼の興味をひきつけ、外の世界へと連れ出すためのきっかけとなる“謎”が欠かせない。
ワトソン役の坂木、鳥井と坂木の同級生で警察官の滝本孝二など、魅力的な登場人物が次々と物語を彩っていきます。あたかも家族が増えていくように、自然な速度で登場人物が増え、ストーリーにかかわってきます。シリーズ第2作『仔羊の巣』、そして第3作の『動物園の鳥』まで、じっくりとお楽しみください。
創元推理文庫では、この“ひきこもり探偵”シリーズを今年、順次刊行してまいります。お楽しみに。
◆『青空の卵』収録作品
夏の終わりの三重奏
秋の足音
冬の贈りもの
春の子供
初夏のひよこ
文庫版あとがき/解説=北上次郎
■坂木司の好評既刊
『青空の卵』
『仔羊の巣』
『動物園の鳥』
『切れない糸』
(2006年2月6日)
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