アルセーヌ・ルパン生誕100周年記念大作
映画「ルパン」
2005年9月17日より全国ロードショー公開

映画ルパン

 フランスが誇る冒険活劇の傑作、モーリス・ルブランの「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」が映画化され、全国公開されています。

 物語は『カリオストロ伯爵夫人』のストーリーを中心に展開しますが、ルパンの生い立ちなども語られ、若かりし頃の姿も登場します。物語は見てのお楽しみですが、ほんのさわりだけご紹介を。


映画ルパン

 盗人という裏の顔をもつ父と、公爵夫人の妹である母とのあいだに生まれたアルセーヌ・ルパン。幸せな少年時代も束の間、公爵家に伝わるマリー・アントワネットの首飾りをめぐる策謀で、父は殺され、遺された母とアルセーヌも館を追い出されてしまいます。

 時が過ぎ、20歳になったアルセーヌは、父に教えられた泥棒の技を磨いていました。そして、密かに相思相愛の仲となった、従姉妹で幼なじみのクラリスのおかげで公爵の武術指南の職を得るのです。
 そんなある日、彼は王家の財宝を狙い、オルレアン公を王座につけようと目論む陰謀を企む一味の会合をのぞき見てしまいます。そこに、囚われのカリオストロ伯爵夫人が引き出されてきました。ルパンは、謎めいた美貌の夫人を一味の手から救い出します。
 カリオストロ伯爵夫人への情熱と、陰謀の一味が探す謎の十字架という宝探しに夢中になったルパンは、クラリスのもとから離れ、夫人とともにパリへ向かうのですが……。
 華やかなパリで彼を待ち受けるのは? そしてカリオストロ伯爵夫人の目的は? 二人につきまといつづける謎の男の正体は?

映画ルパン

 奇巌城の舞台となったエトルタに代表されるノルマンディーの荒々しい自然と、対照的に豪奢で華やかなパリの社交界。ひたすらルパンを愛し支える従姉妹のクラリスと、謎につつまれた妖艶な美女カリオストロ伯爵夫人。
 物語のテンポもよく、アクションあり、ロマンスあり、謎解きありの、まさに冒険活劇という表現がぴったりの「ルパン」です。

映画ルパン

「ルパン」

監督:ジャン=ポール・サロメ
アルセーヌ・リュパン:ロマン・デュリス
カリオストロ伯爵夫人:クリスティン・スコット・トーマス
クラリス:エヴァ・グリーン

テアトルタイムズスクエアほか、全国超拡大公開
配給:日本ヘラルド映画


● 創元推理文庫既刊の〈アルセーヌ・リュパン・シリーズ〉は以下のとおりです。映画と併せてお楽しみください。

カリオストロ伯爵夫人

『怪盗紳士リュパン』
『リュパン対ホームズ』
『水晶の栓』
『奇巌城』
『リュパンの告白』
『金三角』
『虎の牙』
『カリオストロ伯爵夫人』
『謎の家』
『緑の目の令嬢』
『二つの微笑を持つ女』
『バール・イ・ヴァ荘』
『特捜班ヴィクトール』
『赤い数珠』
『カリオストロの復讐』
『オルヌカン城の謎』
『ジェリコ公爵』
『リュパンの冒険』

(2005年9月26日)

本の話題のトップへトップページへもどる