弊社刊〈ミステリーズ!〉に、vol.3からvol.11まで1年半にわたって連載された島田荘司先生の『摩天楼の怪人』が書籍化されます。
1969年、ニューヨーク、マンハッタンの摩天楼にあるセントラルパーク・タワー・ビルの34 階の一室で、死を目前にした往年の大女優が、50年近く前の殺人事件の犯人は自分なのだと告白した。
1921年の嵐のその晩、彼女が犯したという不可能犯罪。停電したその夜、34階にいた彼女が1階にいたプロデューサーをわずか15分の間に射殺したというのだ。
アリバイがないのは、わずか15分間だけ。その前後、彼女は確かに34階の自分の部屋にいたことが確認されていた。
そんな犯罪を犯すことが、彼女に本当にできたのか?
そして、彼女の言うファントムとはいったい誰なのか?
コロンビア大学助教授の御手洗潔に、この謎を解いてみせよ、と言って大女優は息をひきとった。
セントラルパーク・タワーを建てた建築家、オーソン・タルマッジの爆死の謎、彼の持っていた不思議なヒエログリフの意味するものは? 駆け出しだった彼女のまわりで続いた、女たちの不可解な自殺の真相は……?
御手洗潔が摩天楼の謎に華麗に挑む。
常に本格ミステリ界のサミッターでありつづける島田荘司の更なる頂点!