ハードSF+スペースオペラ!
天才物理学者マッカンドルー博士が出会う
驚異の事件の数々


チャールズ・シェフィールド
『マッカンドルー航宙記 太陽レンズの彼方へ』

太陽レンズの彼方へ  アーサー・モートン・マッカンドルー博士。太陽系最高の知性を集めたペンローズ研究所でもひときわぬきんでた天才物理学者。ただし折り紙付きの変人。ブラックホールをこよなく愛し、自らが開発した画期的な航行システムの宇宙船に乗り、自然界の新たな法則を求めて宇宙狭しと飛びまわります。

 そんな天才マッカンドルー博士の相棒は、宇宙船の女船長ジーニー・ペラム・ローカー。マッカンドルーとは長年の付き合いで、彼とは娘までもうけた仲。いつもいつも浮世離れしたマッカンドルーの突飛な言動にふりまわされ、なんだかんだと言いながらも後始末にまわるしっかりもの。

 そんなふたりが大宇宙で繰り広げる冒険の数々。著者シェフィールド得意の科学の知識を存分に詰め込んだ驚異のストーリーをお楽しみください。

 巻末には訳者が作成した、詳細なシェフィールドの作品リストもついています。

 各話のタイトルは次のとおり。

・第1話「影のダークマター」
・第2話「新たなる保存則」
・第3話「太陽レンズの彼方へ」
・第4話「母来たる」

 ちなみに第4話には、タイトルどおりマッカンドルーの母親が登場。ジーニーはいきがかりじょうマッカンドルーの故郷、地球はシェトランド諸島にある小さな島を訪ねるはめに……。そこで明かされるマッカンドルーの父親の正体! ところが、これが家族の問題で終わらないのがマッカンドルーのマッカンドルーたる所以。またも彼は厄介事に手を突っ込み、ジーニーに引っぱりだしてもらい、そのあげくに新たな法則を発見してのけるのです。

マッカンドルー航宙記  本書に先立つ『マッカンドルー航宙記』は、創元SF文庫好評既刊。星雲賞を受賞した名作です。こちらには、

・第1話「キリング・ベクトル」
・第2話「慣性モーメント」
・第3話「真空の色彩」
・第4話「〈マナ〉をもとめて」
・第5話「放浪惑星」

 が収録されています。こちらも是非よろしく。

(2005年9月10日)