《ミステリ・フロンティア》
加藤実秋『インディゴの夜』
第10回創元推理短編賞受賞作がシリーズ化!
愛すべきホスト探偵団の活躍

綾辻行人・有栖川有栖・加納朋子
全選考委員絶賛の表題作を含む、待望の連作集

インディゴの夜  渋谷の片隅、クラブのようなインテリアで、BGMはダンスミュージック、そして相手をしてくれるのはDJやダンサーみたいな男の子たち。〈club indigo〉は、そんないっぷう変わったホストクラブ。

 この店で一晩過ごせば、たいていの悩みごとは解消されるはず。それでも解決しない厄介ごとを抱えているなら、螺旋階段を登ってダンスフロアを横切った先、廊下のつきあたりにある事務所を訪ねるといい。王道系ホストファッションに身を包んだ美形がドアを開けてくれるはず。部屋の中で憎まれ口を叩き合っているのは、三十路女と四十男。この二人が、あなたに力を貸してくれるかも知れない――。

 どんなに星の見えない闇夜でも、
光を与えてくれる場所がある。 

 健康実用書のライターとして働くかたわら、〈club indigo〉のオーナーをつとめる女性・高原晶を筆頭に、共同経営者であり大手出版社の編集者・塩谷、謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜、巨大アフロがトレードマークの気のいい青年・ジョン太、プロのキックボクサーでもある日米ハーフの巨漢・アレックス、ファッションセンス抜群で利発な犬マンといった個性豊かなホストたちが、昼夜を問わず街を縦横無尽に駆け抜ける! スタイリッシュでウイットにあふれた新世代探偵小説をお楽しみください。

ストリートの現在を活写する大型新人、デビュー!

 選考委員の絶賛を浴びた、第10回創元推理短編賞受賞作「インディゴの夜」(『ミステリーズ!vol.02』掲載)で初登場した〈club indigo〉の面々。受賞後第1作の「原色の娘」『ミステリーズ!vol.04』掲載)でさらなる活躍を見せ話題を呼びました。

 今回の単行本には、この2編に加えて、〈club indigo〉の仲間たちが渋谷区長の娘にまつわるスキャンダル処理のため混沌とした夜の渋谷を奔走する「センター街NPボーイズ」、兼業オーナーの晶が、殺人事件解決のためにホストの世界の裏側へ潜入するサスペンス「夜を駆る者」の、書き下ろし2編を収録しました。

(2005年1月10日/2005年2月21日)
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