戦前に上海の租界でイギリス人のためにつくられた、時代を経たもの特有の品格を漂わせる安楽椅子。骨董屋の店先から小学生・及川衛の家にやって来たその椅子が、あろうことか口をきいた!? しかもこの椅子、口を開いた途端シャーロック・ホームズばりの推理を披露し始めて――。
安楽椅子アーチーと衛の出会い、そして衛の学校で起きた難事件を描いた「首なし宇宙人の謎」。
片方の靴を置き去りにし、逃げるように改札へ消えていった男の謎と、天才少女バイオリニストのコサージュから花が消えた事件が結びつく「クリスマスの靴の謎」。
横浜外国人墓地に残された暗号(?)の謎を推理するうち、意外な真相に辿りつく「外人墓地幽霊事件」。
推理小説新人賞の最終候補作は、アーチーの存在をモデルにしたとしか思えない!?
@アーチー自身の謎が解明される「緑のひじ掛け椅子の謎」。
紳士的な(?)安楽椅子と衛の交流、そして彼らが出合うさまざまな謎。謎解きの面白さと柔らかなユーモアが楽しめる、これぞ正真正銘の「安楽椅子探偵の事件簿」!
カット=ひらいたかこ
(2003年8月15日)
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