『要説日本歴史』が改稿されました

要説日本歴史  5月20日付け朝刊各紙の一面トップで、弥生時代の開始が500年早まった、という記事が掲載されていました。
 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の春成秀爾教授らの研究グループが、福岡市や唐津市、東北地方などから出土した弥生式土器の付着物などを、放射性炭素C14濃度の減り具合から経過時間を割り出す、いわゆるC14年代測定法で測った結果、稲作農法が日本に伝わり弥生時代が開始したのは従来の定説より500年早い紀元前1000年頃と特定した、と発表したのです。
 例の石器捏造事件以来、信用回復を迫られている日本考古学界には慎重論も当然ありますが、これにより日本古代史再検討の必要が生じたことは明らかで、今後の研究に注目したいと思います。
 小社刊の『要説日本歴史』は、この度、その春成教授により石器捏造事件の検証に基づき、同博物館館長であった故・佐原真氏担当の第一章「日本列島のあけぼの」の冒頭部分を全面的に書き改めました。
 本書は日本列島のあけぼのから2000年までの、日本の時代の流れが理解できるようにコンパクトに、かつ最新の研究成果を盛り込みながらまとめた歴史愛好家の必携書です。政治史ばかりでなく、社会史、文化史、対外交流史、民衆生活史にも触れながら、各分野の第一人者がわかりやすく解明した全一冊の通史です。この機会に是非お求めください。

(2003年6月15日)

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