アン・マキャフリー自身が「もっとも愛着がある」
と語る傑作《歌う船》シリーズ!

 『歌う船』(創元SF文庫/酒匂真理子訳)は、《パーンの竜騎士》とならんで現代SF界の人気マキャフリーを代表する、ロマンティックSFの傑作です。
 金属の殻に封じ込められ、シナプスを宇宙船の維持と管理のための機械装置に繋がれた少女ヘルヴァは優秀なサイボーグ宇宙船。彼女は相棒となる男性を乗せて、〈中央諸世界〉の特命のもと、苛烈な任務に銀河をかけめぐります。
 マキャフリーがデビュー初期に書いた6つの短編、「歌った船」「嘆いた船」「殺した船」「劇的任務」「あざむいた船」「伴侶を得た船」をまとめたもの。スペース・オペラとしての楽しみも満喫できます。

 その後、ヘルヴァのシリーズは2篇が発表されています。「蜜月旅行」が短編集『塔のなかの姫君』に、また「還る船」がシルヴァーバーグ編のアンソロジー『SFの殿堂 遥かなる地平(2)』に収録されています(共にハヤカワ文庫SF)。

 また若手作家たちとの共作で、ヘルヴァではない別の頭脳船(ブレイン・シップ)が活躍する続編が書かれ、長編シリーズ化されました。とくに『旅立つ船』は、《ヴァルデマール年代記》で有名なマーセデス・ラッキーとの共作で読み応えもひとしおです。いずれも創元SF文庫より刊行されています。

・マキャフリー&ラッキー『旅立つ船』(赤尾秀子訳)
・マキャフリー&S・M・スターリング『戦う都市(上下)』(嶋田洋一訳)
・マキャフリー&ボール『友なる船』(浅羽莢子訳)
・マキャフリー&ナイ『魔法の船』(嶋田洋一訳)
・ジョディ・リン・ナイ『伝説の船』(嶋田洋一訳)
・S・M・スターリング『復讐の船』(嶋田洋一訳)


(2003年2月15日)
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