『NY 101人のメッセージ 101 Messages from NY
端倉哲也+Power from New York

NY101人のメッセージ 戸田奈津子さん(映画字幕翻訳者)推薦

「NY好きの私も知らなかった情報満載。NYへ行きたくてウズウズする」

NY、元気です! 昨年9月11日の同時多発テロにも負けないNYの魅力をニューヨーカー101人の直筆メッセージ101点、エッセイ101点、カラー写真101点で伝える。従来のガイドにない生活感覚に満ちた情報満載。

●序文(抜粋)代表・端倉哲也(はしくら・てつや)

 2001年9月11日の同時多発テロ以降、ニューヨークから一瞬にして日本人観光客の姿が消えた。各国の人々が2ヶ月もたたないうちに戻りはじめたにもかかわらず、日本人だけは半年以上ニューヨークを避けつづけた。
 しかしニューヨークをこよなく愛する日本の人々の心中は複雑だった。日本が国を挙げてニューヨークを避けるキャンペーンを張っているような状況だった。会社から渡航禁止令を出されたり、家族から「身勝手な行動をするなら勘当だ」と申し渡された友人もいた。それでも社会の風潮にあらがうように、この街にやってくる日本人もいた。彼らは力強く立ち上がるニューヨーカーの姿に触れ、感動した。日本に住む者が知りたいのは「ニューヨークの真実」だ。そう思い立った旅行者と在ニューヨークの日本人が力を合わせて、ニューヨーカーから日本へ向けられた直筆メッセージを集めはじめた。それが、この本をつくるきっかけとなった。
 60人以上のボランティアの仲間が協力し、次々と集められたメッセージ。数多くのニューヨーカーが喜んでメッセージを書いてくれた。その中から101人分のメッセージを選んで一冊の本にまとめた。
 日本に向けてニューヨークのパワフルなエネルギーが伝わることを願ってやまない。

●001番はこの人の紹介だ!――“裸のカウボーイ”

「ニューヨークに戻ってこい! 俺に会いに来いよ! タイムズ・スクエアの裸のカウボーイに!」

 2001年6月、突如タイムズ・スクエアに現れた「裸のカウボーイ」。カウボーイ・ハット、カウボーイ・ブーツに、白のパンツ1枚。「裸のカウボーイ」の手書きロゴの入ったお尻がとてもキュートだ。どんなに寒くても、この格好でギターを抱えて歌っている。ブロードウェイと45丁目あたりが彼の仕事場。お願いすれば、誰とでも気軽に写真に入ってくれる。
 毎日ジムで鍛えた筋骨隆々のボディに甘いマスク、風になびく長い金髪。彼の名はロバート。シンシナティ州出身で、数年前までカントリー・ミュージックのシンガー・ソング・ライターをめざしていた。即興で書き上げた曲をひっさげて、人通りの多いナッシュビルの街角でギターを掻き鳴らして歌ったが、誰一人として立ち止まらない。振り向きもしない。それでも歌いつづける彼の前の空き缶に、通りがかりの老女がそっと一ドル二セントを入れてくれた。六時間歌いつづけて、その日の稼ぎは一ドル二セントだった。
 その夜、彼は決意した。どんなに歌っても誰も相手にしてくれないならパンツ一丁になってやろう。「裸のカウボーイ」の誕生である。全米を横断しながら各地で派手なパフォーマンスを展開し、今ではテレビ、ラジオに引っぱりだこ、海外遠征もこなす有名人だ。
 彼のホームページでは、次回はどこに現れるかスケジュールを確認できる。また「裸のカウボーイCD」や「裸のカウボーイ・パンツ」はオンラインで買える。白いパンツに赤文字の The Naked Cowboy が映える。
 あなたも彼に会いに、早めにニューヨークにお越しください!
(裸のカウボーイのサイトは、http://www.nakedcowboy.com/)

 ――このほか100のメッセージとエッセイ、写真が満載!

(2002年8月15日)
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