マイケル・ナーヴァ『このささやかな眠り』

このささやかな眠り  7月最後の朝、拘置所で出逢った青年は、殉教の場にひきたてられていく聖者に似ていた。公選弁護人ヘンリー・リオスは、この青年とささやかな交情をもつが、季節が秋にうつるころ、事件は起こった。謎のただなかに取り残され、忍び寄る暴力と、影にひそむ敵の姿に、徒手空拳たちむかうリオス!

 内省に富む語り口、予断を許さぬ展開の妙――静かな緊張感がたまらない、現代ハードボイルドの傑作。弁護士リオスの活躍は連作化され、第4作『秘められた掟』までが翻訳刊行済みです。

(2001年12月26日)
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