ミュージカルのお供に!
新訳版『ジキル博士とハイド氏』


ジキル博士とハイド氏 『ジキル博士とハイド氏』といえば、二重人格の代名詞。小説があることは知っているけれど、実際に読んでみた、という人は、あんがい少ないようです。もしかして、あなたも「ネタのわかっている話」とか「ミステリともホラーともつかない昔の小説」などと思い込んで、読まず嫌いのままでいるんじゃないですか?
 ところが。かのスティーヴン・キングは評論書『死の舞踏』で、これこそホラーの原点のひとつとして、『吸血鬼ドラキュラ』『フランケンシュタイン』(ともに創元推理文庫刊)と並べて称賛しています。ホラー・ファンのみなさん、この三大名作を読まなければ、ホラーは語れませんよ。
 また、スティーヴンスンはコナン・ドイルと同時代人で、この作品の舞台もロンドン。シャーロッキアンならずとも、ガス灯の下を二輪馬車が駆けるあの世界に、深夜起こった動機なき殺人、となれば、胸おどらぬミステリ・ファンはいないでしょう。
 そんなホラーの名作、ミステリの古典が、なぜか今まで創元推理文庫に収録されていなかった! なぜ? と首をひねった担当編集者、「出ていないなら出せばいい」と単純明快に結論づけ、そしてとうとう2001年8月、新訳でお目見えすることになります。 でも、なぜ今になって? そうおっしゃる方も多いと思いましたので、重大発表を。

ミュージカル『ジキル&ハイド』2001年11月5日より日生劇場(銀座)で公演開始

 劇団四季の『オペラ座の怪人』につづく、ミュージカル原作小説としての刊行です。
 1990年初演の、フランク・ワイルドホーン作曲によるこのミュージカル、ブロードウェイからたちまち全米へ、そしてヨーロッパへと公演の場を広げ、ロングランとなった大ヒット作品です。初演から11年をへて、ようやく日本での公演が決定しました。
 配役は、ジキル博士/ハイド氏に鹿賀丈史。他には、茂森あゆみ、マルシア、段田安則、浜畑賢吉ら。演出は山田和也、上演台本と歌詞は高平哲郎。
 映画としても繰り返し制作され、テレビドラマ、小説、コミックと姿を変えては現れ、時には換骨奪胎され、とうとう華やかなミュージカルとなった『ジキル博士とハイド氏』。知ってるようで知らないこの名作を、新たな翻訳で、ぜひお楽しみください。

(2001年7月15日)
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