ガストン・ルルー作品紹介

『黄色い部屋の謎』ガストン・ルルー/宮崎嶺雄訳

 ミステリ草創期の1907年に発表された本書は、〈金庫のように密閉された室内〉で行なわれた犯罪の謎を扱った、謎解き小説の古典的名作。不可能犯罪派の巨匠ディクスン・カーが密室物の最高傑作と称揚し、江戸川乱歩も一読したさい、寝られぬほど興奮したという。独創的なトリックといい、解明の鮮やかさといい、不朽の逸品! もうひとつの傑作『オペラ座の怪人』と、戦慄の恐怖小説集『ガストン・ルルーの恐怖夜話』も乞御一読。

『ガストン・ルルーの恐怖夜話』ガストン・ルルー/飯島宏訳

 不可能犯罪物の古典的傑作『黄色い部屋の謎』、ロマン豊かな怪奇スリラーの名作『オペラ座の怪人』――2作の忘れがたい長編によってミステリの歴史にその名をとどめたガストン・ルルーは、また短編の名手でもあった。本書は、片腕の船長が語る世にも奇怪な噺「胸像たちの晩餐」、結婚相手が次つぎと怪死を遂げる娘の物語「ノトランプ」など、グラン・ギニョール風の戦慄に満ちあふれた8編を収める、恐怖小説ファン必読の傑作集。

(2001年6月15日)
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