東京創元社創立50周年フェア

2004年4月開催

■ 有栖川有栖
『毒入りチョコレート事件』アントニイ・バークリー/高橋泰邦訳
「推理合戦のルーツ。ミステリの〈根拠〉をほどきながら結ぶという魔術。」(創元推理文庫40周年記念小冊子より)
――警察が投げ出した事件に、犯罪研究会が繰り出す六人六様の推理。

■ 池澤夏樹
『パイド・パイパー』ネビル・シュート/池 央耿訳
「老いて無力な主人公が(…)危機にいかに対処して、子供たちを安全な国まで連れてゆくか。冒険小説というのは危難の設定が鍵だが、この話はそこのところがうまくできている。」(週刊文春2002年7月25日号より)
――戦火広がるなか、老弁護士は子供達と共に英国へ脱出できるのか?

■ 伊坂幸太郎
『幻の終わり』キース・ピータースン/芹澤 恵訳
「読んでいるだけで幸せな気分になりました。」(ミステリーズ!Vol.02より)
――凍てつく町に甦る、裏切りの記憶。臨場感あふれる傑作ハードボイルド。

■ 石田衣良
『何かが道をやってくる』レイ・ブラッドベリ/大久保康雄訳
「サーカスの魔術的な魅力、ふたりの少年の友情、父と子の物語。この本には、ぼくの 好きなブラッドベリが、いっぱいに詰まっています。」
――少年二人が誘われたのは悪夢のカーニヴァル。傑作ファンタジイ。

■ 江國香織
『水の戒律』フェイ・ケラーマン/高橋恭美子訳
「重厚な家族小説。二人の関係は読みごたえがあります。」
――マカヴィティ賞最優秀処女長編賞を受賞した、新鮮な警察小説。

■ 大沢在昌
『待っている』レイモンド・チャンドラー/稲葉明雄訳
「大人の女の恋と諦念、大人の男の優しさ」(ミステリーズ!Vol.01)
――ハードボイルドの名編「待っている」を含む、チャンドラー傑作集。

■ 小野不由美
『黒後家蜘蛛の会1』アイザック・アシモフ/池 央耿 訳
「思考することは、それ自体が無上の娯楽だ。」
――会員諸氏が素人探偵と化す月一回の晩餐会。安楽椅子探偵連作集。

■ 恩田 陸
『ひとりで歩く女』ヘレン・マクロイ/宮脇孝雄訳
「サスペンスは大人にしか書けない。中でも、大人の女が書いたものは極上だ。」
――超絶技巧! 縦横無尽に巡らされた伏線に唸り、圧巻のスリルに震えよ。

■ 笠井 潔
『エジプト十字架の謎』エラリー・クイーン/井上 勇訳
「『エジプト』で私は本格ミステリに開眼した。」
――ひとつの手掛かりが劇的な効果を上げる、本格ミステリの美を見よ。

■ 加納朋子
『赤い館の秘密』A・A・ミルン/大西尹明訳
「プーさんも赤い館も大好きです。」
――金田一耕助のモデルでもある素人探偵アントニー・ギリンガム登場。

■ 菊地秀行
『ラヴクラフト全集1』H・P・ラヴクラフト/大西尹明訳
「「インスマウスの影」の衝撃は今も忘れがたい。」
――暗黒の宇宙史《クトゥルー神話》作品を中心に恐怖譚四篇を収録。

■ 貴志祐介
『クロイドン発12時30分』F・W・クロフツ/大久保康雄訳
「緻密な犯行と濃密なサスペンス。倒叙ミステリーの記念碑的傑作。」
――完璧な殺人計画に食い下がるフレンチ。倒叙ミステリの最高傑作!

■ 北上次郎
『ジャックと離婚』コリン・ベイトマン/金原瑞人・橋本知香訳
「イキがいい。ぐりぐりの◎!」(小説推理2002年9月号より)
――「ジャックと離婚」と言い残し美女が死んだ。記者スターキー物第一弾。

■ 北村薫
『黄色い部屋の謎』ガストン・ルルー/宮崎嶺雄訳
「本格ミステリの歴史の上で、これは見逃せない一冊なのです。」(読売新聞2003年4月5日号より)
――1959年の創元推理文庫創刊ラインナップに並んだ、密室物の古典。

■ 京極夏彦
『吸血鬼ドラキュラ』ブラム・ストーカー/平井呈一訳
「最初に自分で買った文庫本は創元推理文庫『吸血鬼ドラキュラ』だった。」(創元推理文庫創刊40周年記念冊子より)
――不死なる吸血鬼の恐怖! 秘境での追跡と激闘! 怪奇小説の古典。

■ 黒川博行
『失踪当時の服装は』ヒラリー・ウォー/山本恭子訳
「重厚にして緻密、正統派警察小説の白眉」
――女子学生が消えた? 雲をつかむような事件にフォード署長が挑む。

■ 重松 清
『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ/荒川浩充訳
「ぼくはいまでも、「十六番目の少年」になりたいと思っている。」
――漂流と探検、友情と反目、そしてサバイバル! 心躍る冒険小説。

■ 瀬名秀明
『ある日どこかで』リチャード・マシスン/尾之上浩司訳
「きっとあなたもこの物語を生涯大切にしたくなるだろう。これは奇蹟のラヴ・ストーリーである。」
――世界幻想文学大賞受賞作。時を超える純愛ファンタジイの傑作!

■ 田中芳樹
『ウロボロス』E・R・エディスン/山崎 淳訳
「豪華絢爛たる架空歴史絵巻」(創元推理文庫40周年記念小冊子より)
――天馬翔け魔獣吼える水星の覇者は誰か? 英雄ファンタジイの傑作。

■ 都筑道夫
『ママのクリスマス』ジェームズ・ヤッフェ/神納照子訳
「安楽椅子のママが長篇に登場。こんな変った推理小説をあなたは読んだことがあるか。」
――近所迷惑な牧師が殺された。現場には謎のダイイングメッセージが。

■ 坪内祐三
『黒いハンカチ』小沼 丹
「伝統的イギリス文学の素養を豊富にもっていた素晴らしく美しいマイナー・ポエット、小沼丹。ミステリ小説を描いてもその持ち味(例えば文章のリリシズム)は変わらない。」(週刊文春2003年7月24日号より)
――この詩趣はブラウン神父の直系。自然な輝きが幸福な読書を保証する。

■ 貫井徳郎
『惜別の賦』ロバート・ゴダード/越前敏弥訳
「味わい深い小説が読みたければ、ゴダード」
――三転四転する変幻極まりない物語は、探偵小説好きにも大好評。円熟の秀作。

■ 法月綸太郎
『氷の天使』キャロル・オコンネル/務台夏子訳
「スタージョンの魂とクイーンの遺訓――女相続人が開く、現代ミステリの新たな地平。」
――天使の美貌と悪魔の頭脳。最もクールなヒロイン、マロリー登場!

■ 宮部みゆき
『シニョール・ジョヴァンニ』【復刊】ドミニク・フェルナンデス/田部武彦訳
「“固有の闇”を心の底に、秘密として抱え込んでしまった人間の悲しみは、時を経ても変わりはしないでしょう。まずは、読んでみてください!」
――18世紀の実在の美術史家の死の真相をゴンクール賞作家が解く。

■ 山田風太郎
『ポンスン事件』【復刊】F・W・クロフツ/井上 勇訳
「参った! この凄じいばかりの克明さには確かに参った」(『戦中派闇市日記』より)
――犯人は三人のうちの誰? タナー警部の緻密な捜査を描く初期傑作。

■ 横山秀夫
『回想のシャーロック・ホームズ』コナン・ドイル/阿部知二訳
「「銀星号事件」には“夜のしじま”がある」(ミステリーズ!Vol.03より)
――ホームズ物の第2短編集。「銀星号」から「最後の事件」まで11編。

■ 若竹七海
『囁く谺』ミネット・ウォルターズ/成川裕子訳
「我を忘れて没頭し、現実に戻るときめまいさえ覚える。」(週刊現代2002年5月25日号より)
――その浮浪者は自ら餓死を選んだらしかった。もつれた謎の行方は?

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