11月の早朝、徳農機具店の主人山田徳三が刺殺された。妻の洋子は、押し入ってきた何者かの犯行だと証言したが、捜査は難航。店員の少年たちや9歳の娘・道子などの供述から、洋子が逮捕・起訴される。だが、法廷での道子の言葉に異様などよめきが廷内を走った。検事にうその供述を強制されたというのだ。実在の冤罪事件をモデルに、検察・裁判に翻弄される人々を骨太に描く傑作。解説=瀬戸内寂聴、巽昌章
*2009年5月23日 朝日新聞「もっと本を!!――再読ガイド」で紹介
カタスミノメイロ 片隅の迷路
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