コノヨニヒトツノホン この世にひとつの本 【単行本版】
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内容紹介
忽然と消えた著名な女流書家。後援していた大塔印刷では、御曹司三郎に捜索をまかせることにした。だが、工場でも白血病で亡くなる社員が相次ぐという異常事態が……。三郎は社長秘書・南知子と、社史編纂室の秀才青年・健彦と謎を探り始める。大塔印刷では数年前活版印刷をやめたときにひと悶着があった。活版を追いやる形になった無版印刷課で死人が出たのはただの偶然なのか、それともその時の因縁なのか? そしてその工場には、幽嶺が揮毫したこの世にひとつしか存在しない、謎の書の存在が明らかに。この書に失踪の謎が隠れているのかもしれない──。三郎は、持ち前の呑気で天真爛漫な性格で人の警戒心を解きつつ、鋭い洞察を見せる南知子と健彦の力を借りて、それぞれの謎の真相に近づいていくのだが──。「文字」にこだわる人々の思いを軸に展開してゆく、滋味深いミステリ。