大ベストセラー『クリムゾン・リバー』のグランジェ、
驚嘆のデビュー作登場!『コウノトリの道』

 幼児期に中央アフリカで火事によって両親と兄を失い、両親の友人夫妻に育てられたという経歴を持つ青年ルイは、義母の紹介で、鳥類研究家ベームの助手になることになった。
 毎年秋、アフリカに渡り、春にはヨーロッパに帰ってくるコウノトリのうち、かなりの数がこの春は戻ってこなかった。なぜ? 何があったのか? それを探るためにアフリカへとコウノトリの渡りの道をたどることが彼の仕事だった。
 しかし、出発前にベームを訪ねると、彼はコウノトリの高い巣の上で死んでいた。遺体は鳥につつかれて無惨な姿だった。何があったのか……? 死因は心臓発作らしい。しかし検死解剖の結果、意外な事実が判明する。彼は心臓の移植手術を受けていた。だが、国内の病院にはそんな記録は残っていない。
 なぜベームはコウノトリに固執していたのか? コウノトリに何が起こったのか? そして検死解剖の結果が示す不可解な心臓移植という事実の意味は?
 ヨーロッパから中東、アフリカへと舞台を移しながら、ルイは凄惨な殺人事件に巻き込まれていく。そして事件の真相に近づくにつれ、思いもかけなかったことに、ルイ自身の出自にまつわる事件が次第にベールを脱ぐ……。
 はたしてコウノトリの道に隠されていたものとは……?!

 『クリムゾン・リバー』で、フランスにグランジェありと、全世界を圧倒した彼の、デビュー作とは思えぬ完成度を持つ傑作長編ミステリ、ついに登場。
 最新作『狼の帝国』も本国で刊行後数か月で20万部にせまる売り上げという、今や押しも押されもせぬ実力派作家となったグランジェの傑作『コウノトリの道』を、ご堪能ください。

(2003年7月15日)

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