明治二十四年、寒さが迫りつつある十月の函館。函館水上警察署の五条文也警部は、人々の注目を集める見慣れぬ毛皮のコート姿の女に目を奪われた。函館生まれながらロシア人の養女になったという彼女の悲しみの過去とは――。表題作をはじめ、英露両国の対立が一触即発の状態までに発展する函館港の危機「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」など計四編を収録。フェンシングの名手・五条を筆頭に、函館の平穏を守るべく日夜奔走する刑事たちを活写する、明治警察物語。逢坂剛・池上冬樹氏推薦。著者あとがき=高城高
文庫版では『冬に散る華』と改題しました。
ウラジオストクカラキタオンナ ウラジオストクから来た女 【単行本版】 函館水上警察
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