内容紹介
どんな料理であっても、そこにはつくり手の感情が込められているものです。プロが提供する料理はお客さまを満足させるために、家庭料理は同じ食卓を囲む家族の健康や団らんのために、たとえ自分以外に食べる者のいない簡単なものであったとしても、思いは注ぎこまれているのです。本書では、そんな「料理をつくる人」たちをテーマにした短編を六名の作家にご執筆いただきました。
目次
西條奈加「向日葵の少女」
千早茜「白い食卓」
深緑野分「メインディッシュを悪魔に」
秋永真琴「冷蔵庫で待ってる」
織守きょうや「対岸の恋」
越谷オサム「夏のキッチン」
著者紹介
西條奈加
(サイジョウナカ)
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木三十五賞を受賞。
千早茜
(チハヤアカネ)
1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。09年同書で第37回泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞を、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。著書に『男ともだち』『グリフィスの傷』『雷と走る』、エッセイ集に〈わるい食べもの〉シリーズなどがある。
深緑野分
(フカミドリノワキ)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞に佳作入選、同作を表題作とした短編集を刊行しデビュー。19年『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞第1位に選ばれる。他の著書に『戦場のコックたち』『分かれ道ノストラダムス』『この本を盗む者は』『カミサマはそういない』『スタッフロール』『空想の海』がある。
秋永真琴
(アキナガマコト)
北海道生まれ。2009年『眠り王子と幻書の乙女』でデビュー。著書に『眠り王子と妖精の棺』『ワンドオブフォーチュン すべての色を纏う者』などがある。
織守きょうや
(オリガミキョウヤ)
1980年ロンドン生まれ。早稲田大学法科大学院修了。2012年『霊感検定』で第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞してデビュー。15年『記憶屋』で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。著書に『ただし、無音に限り』『夏に祈りを ただし、無音に限り』『花束は毒』『キスに煙』『まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖』などがある。
越谷オサム
(コシガヤオサム)
1971年東京都生まれ。2004年『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。著書に『陽だまりの彼女』『金曜のバカ』『いとみち』『まれびとパレード』『四角い光の連なりが』『たんぽぽ球場の決戦』などがある。