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中井英夫全集9 ゲッショクリョウホウカイ 月蝕領崩壊

月蝕領崩壊

在庫なし

定価
2,200円(本体価格:2,000円)
ジャンル
  1. 一般文芸 > 全集
レーベル
  1. 創元ライブラリ
シリーズ
  1. 中井英夫全集 9
判型
文庫判
ページ数
850ページ
初版
2003年10月31日
ISBN
978-4-488-07033-5
Cコード
C0193
文庫コード
L-な-1-9

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内容紹介

黒鳥館主、流薔園丁を経て『月蝕領宣言』により月蝕領主となった、Aこと中井英夫。しかし自らの分身とまで呼んだBの発病がAを襲う。八〇年の年代記『LA BATTEE』、北軽井沢での日々『流薔園変幻』、そして愛することと書くことに引き裂かれた作家の生は『月蝕領崩壊』を完成させる。人間・中井英夫の愛と真実。解説=高原英理

目次

9『月蝕領崩壊』(2003) 日記 II

『月蝕領宣言』(1979)
「殺人者の憩いの家」(1978)/「ポオ断章」(1978)/「影の訪問者」(1978)/「翼のあるサンダル――あるいは蟾蜍【せんじょ】の記」(1978)/「異形の者」(1978)/「カニバリズムの夜」(1978)/「リラダン「ヴィルジニーとポール」」(1979)/「不在」(1979)/「あとがき」(1979)

『LA BATTEE(ラ・バテエ)砂金を洗う木皿』(1981)
〈I 79年12月~80年2月〉
「1 罪の構図」/「2 孫・孫・孫」/「3 呪文」/「4 二通の遺書」/「5 人名整理法」/「6 旅へ」/「7 故郷の香り」/「8 コアラと牛肉」/「9 黒い噴火」/「10 悪感」
〈II 3月~4月〉
「11 音楽展で」/「12 肩書き」/「13 語り草」/「14 暗い春」/「15 桜の下には」/「16 一振りの剣」/「17 時の人」/「18 春の触手」/「19 死の合唱隊【コロス】」/「20 遠い弔鐘」
〈III 5月~6月〉
「21 痴漢」/「22 清涼剤」/「23 紫陽花の畔には」/「24 老いの歯」/「25 アダムの朝」/「26 「新青年」の話」/「27 白鳥の死」/「28 梅雨と七夕」/「29 地上の縁」/「30 地上の罠」
〈IV 7月~9月〉
「31 初物の味」/「32 奴隷の耳」/「33 晴朗な殺人者」/「34 冷夏の終り」/「35 散歩者」/「36 桔梗の瞳」/「37 火山の麓で」/「38 探偵小説を読む」/「39 13の厄」/「40 ぶな【木偏に無】館の殺人」
〈V 10月~12月〉
「41 月に吠える」/「42 青猫の夜」/「43 鋼鉄の意志」/「44 死の方向」/「45 記憶違い」/「46 焔と蛇」/「47 冬扇」/「48 影の世界」/「49 土星へ」/「50 暦と老い」
〈VI 81年1月~3月〉
「51 綺想異風派」/「52 テレビの内そと」/「53 分身」/「54 わが町の記……」/「55 コバルト60」/「56 白線屋」/「57 執行猶予」/「58 舌代」/「59 最後の不安」/「60 フィナーレ」

『流薔園変幻 北軽井沢の風物』(1983)
「まえがき」/「一九七三年」/「一九七四年」/「一九七五年」/「一九七六年」/「一九七七年」/「一九七八年」/「一九七九年」/「一九八〇年」/「一九八二年」/「あとがき」

『月蝕領崩壊』(1985)
「まえがき」
〈第一部〉「一九八二年六月二八日―九月一六日」/「一九八二年九月一七日―一九八三年一月一三日」/「一九八三年一月一六日―四月二七日」/「追記」
〈第二部〉「一九八一年一月一六日―三月二六日」/「一九八一年六月一日―一九八二年一月一一日」/「一九八二年四月一九日―六月二四日」
「あとがき」

解説 文人と幻想文学者の間:高原英理/解題:本多正一
中井英夫全集付録11(「走る『虚無への供物』の作者」田中敏郎、「あるいは時の柩としての日記」大橋喜之)

著者紹介

中井英夫 (ナカイヒデオ)

1922年東京生まれ。東京大学文学部中退。日本短歌社、角川書店で短歌誌編集に従事。1964年、塔晶夫の筆名で刊行されたアンチ・ミステリ『虚無への供物』は、探偵小説の歴史のみならず20世紀文学に金字塔を打ち立てることになった。1974年、『悪夢の骨牌』で第2回泉鏡花文学賞受賞。1993年歿。創元ライブラリ版『中井英夫全集』では、『黒鳥譚』『とらんぷ譚』以下の幻想耽美小説、『香りの時間』に始まる洒脱なエッセイ、戦中日記『彼方より』、詩篇・短歌論など多彩な業績がコンパクトに集成されている。

著訳者の既刊本