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中井英夫全集5 ユウバエショウネン 夕映少年

夕映少年

在庫なし

定価
2,090円(本体価格:1,900円)
ジャンル
  1. 一般文芸 > 全集
レーベル
  1. 創元ライブラリ
シリーズ
  1. 中井英夫全集 5
判型
文庫判
ページ数
855ページ
初版
2002年12月27日
ISBN
978-4-488-07032-8
Cコード
C0193
文庫コード
L-な-1-5

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内容紹介

鏤骨の文体、トリッキイな構成、縦横の想像力によって奏でられてきた中井英夫の幻想耽美世界は、作家の実人生と引き換えに豊饒な収穫の時期を迎えることになる。珠玉の短集『夜翔ぶ女』『名なしの森』、戦中戦後という時間への愛憎を表白する『金と泥の日々』『他人(よそびと)の夢』、ただ光だけが充ちている名品『夕映少年』を収録。解説=川崎賢子

目次

5『夕映少年』(2002) 小説 V

『夜翔ぶ女』(1983)
〈ぶな【木偏に無】館の殺人〉(1980)
「1 書庫」/「2 百科全書」/「3 革装本」/「4 豆本」/「5 EROS」/「6 本の敵」/「7 絵本」
〈夜翔ぶ女〉
「夜翔ぶ女」(1980)/「ふつうの会話――家具に寄せる短編」/「卵の王子たち――世界一小さな密室」(1978)/「安楽死志願」(1976)/「夢小僧」(1980)/「未生の闇」(1980)/「三つの手紙」(1976)/「真珠姫」(1975)/「影を売る店」(1981)/「影法師連盟」(1982)/「天蓋」(1982)
〈幻談・千夜一夜〉
「1 口上と物語の始まり」/「2 シェーラザードの登場」/「3 ハサンの船出」/「4 シャーリヤルの微笑」/「5 青い実の憂愁」/「6 麝香の夜」/「7 豹と王子」/「8 魔女神と艶夢」/「9 間奏曲」/「10 艶書と旅立ち」/「11 シェーラザードの退場」/「12 旅の終りと納めの詞」

『金と泥の日々』(1984)
「懲りずま」/「妄者の翼」/「腐果」/「影の歩行者」/「ひとりゐ」/「遠い金貨」/「振り子」/「空いろの美酒」/「塒【とや】」/「金の夜に… ――あとがきを兼ねて」

『名なしの森』(1985)
「名なしの森」(1980)/「変身譜」(1981)/「干からびた犯罪」(1981)/「盲目の薔薇」(1981)/「一粒の葡萄もし…」(1980)/「花火闇」(1980)/「あるふぁべてぃく」(1979)/「男色家の朝の歌」(1978)

『夕映少年』(1985)
「夕映少年」(1983)/「月光の箱」(1983)/「光の翼」(1983)/「星の砕片」(1976)/「星の不在」(1978)/「あとがき」(1984)

『他人【よそびと】の夢』(1985)
「他人の夢――一九四四年夏」/「錆びた港」/「あとがき」

解説:川崎賢子/解題:本多正一
中井英夫全集付録10(「眩人幻跡の抄」赤江瀑、「月の夜毎」建石修志)

著者紹介

中井英夫 (ナカイヒデオ)

1922年東京生まれ。東京大学文学部中退。日本短歌社、角川書店で短歌誌編集に従事。1964年、塔晶夫の筆名で刊行されたアンチ・ミステリ『虚無への供物』は、探偵小説の歴史のみならず20世紀文学に金字塔を打ち立てることになった。1974年、『悪夢の骨牌』で第2回泉鏡花文学賞受賞。1993年歿。創元ライブラリ版『中井英夫全集』では、『黒鳥譚』『とらんぷ譚』以下の幻想耽美小説、『香りの時間』に始まる洒脱なエッセイ、戦中日記『彼方より』、詩篇・短歌論など多彩な業績がコンパクトに集成されている。

著訳者の既刊本