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カノジョハスイヨウビニシンダ 彼女は水曜日に死んだ

彼女は水曜日に死んだ

在庫あり

定価
2,310円(本体価格:2,100円)
ジャンル
  1. 海外ミステリ > 短編集
判型
四六判上製
ページ数
288ページ
初版
2022年10月28日
ISBN
978-4-488-01119-2
Cコード
C0097
装幀
森田恭行(キガミッツ)

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内容紹介

ギャングの少年による殺人を目撃した女性は、報復を恐れて通報できず、苦悩する……(「ベイビー・キラー」)。1899年のフランス。8人の子供を殺して監獄に入れられた囚人と看守の、奇妙な交流の行方は……(「ボルドーの狼」)。メアリーローズは水曜日に死んだ。売人の家で麻薬を打った直後に死んだという。キャンベルは愛する人が死んだことで、世界の一部も死んでしまったような気がした……(「本能的溺水反応」)。メキシコとの国境地帯で大規模な山火事が起こる。密入国する途中で火事に巻き込まれたらしい親戚を探すという父親に連れられ、少年は荒野に足を踏み入れるが……(「灰になるまで」)。

目撃者、看守、前科者、薬物中毒者、密入国者の親戚──。さまざまな形で犯罪に関わりを持ってしまった人々の孤独と希望を、美しく切なく真摯に描く。英国推理作家協会(CWA)賞最優秀短編賞受賞作ほか全10編収録の傑作短編集! 解説=杉江松恋

目次

「悪いときばかりじゃない」
「ベイビー・キラー」
「ボルドーの狼」
「万馬券クラブ」
「夕闇が迫る頃」
「本能的溺水反応」
「聖書外典」
「すべてのあとに」
「甘いささやき」
「灰になるまで」

著者紹介

リチャード・ラング

アメリカ、カリフォルニア州オークランド出身。2008年にデビュー短編集Dead Boysを刊行した。Angel Baby(2013)で同年のハメット賞を受賞。2015年、短編集『彼女は水曜日に死んだ』(2015)に収録されている「聖書外典」と「甘いささやき」が、2作同時に英国推理作家協会(CWA)賞最優秀短編賞の最終候補に選ばれ、「聖書外典」が受賞するという快挙を成し遂げた。同書所収の「ベイビー・キラー」はアンソロジー『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2012』の収録作に選ばれている。その他の著作にThe Smack(2017)、Rovers(2021)などがある。

吉野弘人 (ヨシノヒロト)

英米文学翻訳家。山形大学人文学部経済学科卒。主な訳書にロバート・ベイリー『ザ・プロフェッサー』『黒と白のはざま』『ラスト・トライアル』『最後の審判』『ゴルファーズ・キャロル』、グレアム・ムーア『評決の代償』、T・J・ニューマン『フォーリング-墜落-』、デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン『喪失の冬を刻む』などがある。