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2017.07.25


作家・評論家 山野浩一先生逝去

SF作家・文芸評論家・競馬評論家の山野浩一氏が、7月20日に食道がんで逝去されました。77才でした。

山野氏は1939年大阪市出身、関西学院大学法学部中退。64年、「X電車で行こう」が同人誌〈宇宙塵〉に掲載され、三島由紀夫等の推薦を受けて〈SFマガジン〉に転載され小説家デビューを果たしました。主な著作に『殺人者の空』『X電車で行こう』ほか。
J・G・バラード、フィリップ・K・ディックを率先して評価し、69年には〈季刊NW-SF〉を創刊して、ニュー・ウェーヴ運動の紹介に尽力しました。透徹した批評で「SF界の検事」と呼ばれ、またサンリオSF文庫の監修者として翻訳SF出版に多大な影響を及ぼしました。
競馬界においては、血統評論の第一人者として活躍し、代表著書の『サラブレッド血統辞典』はロングセラーとなっています。

弊社では、短編傑作集『鳥は今どこを飛ぶか』『殺人者の空』(創元SF文庫)の二冊を刊行させていただきました。今年5月に刊行された『J・G・バラード短編全集』第三巻にお寄せいただいた「内宇宙の造園師」と題したエッセイが、最後の御原稿となりました。
なお弊社では、1960年代から日本読書新聞に連載されたSF時評のほか、〈NW-SF〉〈ユリイカ〉〈カイエ〉〈猫の手帖〉等幅広い媒体に寄せられた評論を集成した『山野浩一全時評(仮)』(岡和田晃・編)を近いうちにお届けするべく鋭意作業中です。

ご冥福をお祈りいたします。

鳥はいまどこを飛ぶか
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殺人者の空
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J・G・バラード短編全集3
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