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2012.06.07


作家レイ・ブラッドベリ 逝去

作家・詩人のレイ・ブラッドベリが、現地時間6月5日(火)夜、ロサンゼルスで逝去しました。91歳でした。

■ニューヨーク・タイムズ紙の訃報
http://www.nytimes.com/2012/06/07/books/ray-bradbury-popularizer-of-science-fiction-dies-at-91.html

1920年8月22日、アメリカ合衆国イリノイ州ウォーキガン生まれ。1941年11月、ヘンリー・ハースとの共作「振り子」で商業誌デビュー。
1947年に初短編集『黒いカーニバル』を刊行後、代表作とされる『火星年代記』(1950)や長編『華氏451度』(1953)を出版。「星とテニスシューズ」とも形容される少年期の瑞々しい感覚を描いた作品や、ときに読むものの背筋を凍らせるような幻想的・怪奇的な作品を数多く発表し、「SF界の抒情詩人」とも謳われています。
日本でもその人気は大変高く、今世紀に入っても新作がつぎつぎと刊行されています。昨年には公式伝記『ブラッドベリ年代記』(サム・ウェラー)が、つい数日前にも対談集『ブラッドベリ、自作を語る』が邦訳されたばかりでした。

創元SF文庫では『10月はたそがれの国』『スは宇宙のス』『ウは宇宙船のウ』『何かが道をやってくる』という、50~60年代の全盛期を代表する作品群が収められ、ロングセラーとなっています。

10年ほど前に脳卒中を患ってからは車椅子生活になっていたものの壮健で、自宅のあるロサンゼルス周辺で開かれるイベントにはよく姿を見せておられたとのこと。90歳をすぎても毎日文章を書きつづけ、毎週のように新作を編集者に送っていたそうで、今週の米〈ニューヨーカー〉誌SF特集にも書き下ろしのエッセイ(リンク先英語)が掲載されています。生涯作家でありつづけたかたでした。

やすらかにお眠りください。
(2012年6月7日)



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