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2011.11.23


SF作家アン・マキャフリー逝去

SF作家のアン・マキャフリーが、現地時間11月21日(月)、アイルランドの自宅で、脳卒中で逝去しました。85歳でした。

■SF情報サイト「ローカス・オンライン」の訃報
http://www.locusmag.com/News/2011/11/anne-mccaffrey-1926-2011/

1926年4月1日、合衆国マサチューセッツ州生まれ。53年にSF専門誌〈サイエンス・フィクション・プラス〉よりデビュー。最初の長編は、67年に刊行されたRESTOREE(未訳)でした。

68年には、「大洞窟人来たる」でヒューゴー賞ノヴェラ部門を受賞。この作品は、その後彼女を代表するシリーズとなる《パーンの竜騎士》の第1作『竜の戦士』第1部になります。さらに翌69年には同じく『竜の戦士』の第3部、第4部となる「塵が降る」「つめたい宇宙間隙」でネビュラ賞ノヴェラ部門を受賞しました。

70年代には「アメリカSF界の女王」と謳われ、80年代にかけてのサイエンス・ファンタジー・ブームの頃には、セカンダリー・ユニバースものを得意とする作家として他の追随を許さない人気を誇りました。

創元SF文庫では、彼女のもうひとつの代表作とも語られる『歌う船』が根強い人気を誇り、ロングセラーとなっています。サイボーグ宇宙船となった少女ヘルヴァの任務の日々を描いた連作で、のちに若手作家との共作で長編シリーズ化されました。そのなかでも《ヴァルデマール年代記》で知られるマーセデス・ラッキー『旅立つ船』は有名です。

今世紀にはいっても、ワールドコン(世界SF大会)では電動車椅子を高速で乗り回す姿が見られた、と、参加した方たちから伺っていたのですが、この数年は不調が伝えられていました。

やすらかにお眠りください。
(2011年11月23日)

 


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