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ホンハカワル! 本は変わる! 印刷情報文化論

本は変わる!

在庫なし

定価
1,540円(本体価格:1,400円)
ジャンル
  1. ノンフィクション・その他 > 評論・研究
判型
四六判並製
ページ数
212ページ
初版
2003年9月30日
ISBN
978-4-488-02377-5
Cコード
C0070
装幀
岩郷重力+WONDER WORKZ。

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内容紹介

急激なメディア状況の変化と長引く不況によって、「本」は変貌を遂げつつある。電子化が果たされた出版・印刷界は、どこへ行こうとしているのか。『活字が消えた日』『印刷はどこへ行くのか』で知られる著者、京都の老舗印刷会社〈中西印刷〉の専務・中西秀彦が、印刷業の立場から、本とインターネット、オンデマンド出版の現状と未来を語る。出版印刷を知るためのガイドブックとしても最適。

目次

はじめに オールドメディアからニューメディアへ

第1章 極端に短い印刷の歴史
 印刷のはじまり/グーテンベルグの活版印刷術/マスコミと高速大量印刷
 /高度経済成長時代の「活字」/活版印刷というもの/なぜ活版だったか
 /コンピュータの登場/ワープロ時代

第2章 私的印刷現代史
 活版の工場へ/電算写植の導入/愚直なコンピュータと職人魂/活版の終焉
 /電算化の泥沼/DTPの衝撃/「個人」のための印刷システム
 /「言論の自由」と印刷/文字から画像へ/CTP

第3章 オンデマンド印刷論
 置き忘れられた印刷/大量生産の時代/オンデマンド印刷のコンセプト
 /オンデマンド印刷の技術/ドキュテック/オンデマンド出版の背景
 /オンデマンド印刷の特徴/コンピュータ・データとの親和性
 /オンデマンド印刷の弱点/オンデマンド印刷を使った出版
 /日販ブッキング/リキエスタ/ブックパーク/本屋の店頭でのオンデマンド
 /大活字本/実験後のゆくえ/オンデマンド印刷論

第4章 マルチメディア
 マルチメディアとは/マルチメディアの産み出すもの
 /マルチメディアはフルデジタル/CD-ROMの世界/『新潮文庫の100冊』
 /『広辞苑 マルチメディア版』/『マイクロソフト・エンカルタ』
 /マルチメディアの停滞/いでよ、マルチメディアの天才
 /CD-ROM、期待から落胆へ/インターネットの登場

第5章 インターネット
 インターネットの世界/インターネット普及の理由/ネットの意味
 /自己増殖するシステム/万民の表現手段/表現の連鎖/商業利用へ
 /物のない物流/青空文庫/インターネット「本」の利点
 /「プロジェクト・グーテンベルグ」と著作権の呪縛
 /インターネットが「本」に変わる日/「e-novels」の奮闘

第6章 オンライン・ジャーナル
 アメリカからの衝撃/印刷による雑誌/電子の雑誌/メイルマガジン
 /ウェブマガジン/オンライン・ジャーナル/ハイワイヤー
 /学術論文のオンライン化の意義/オンライン・ジャーナルのメリット
 /領域横断検索の魔力/引用ネットワークの網の目
 /Oxford University Pressとの提携

第7章 メディア革命の結末
 メディア革命の未来/メディアの逆転現象/情報の断片化/WWWの特性
 /共通知識の崩壊/テレビから共通話題の崩壊/趣味の多様化/「おたく」現象
 /「おたく」とインターネット/コレクターズ・フォーラム
 /国際おたくとマルチメディア/断片化の行く末/情報化社会の末路

終章 それで、どうする?
 産業としての「本」/大英博物館大閲覧室/本の利点/アフリカの民話
 /本の挑戦 その一 オンデマンド対応
 /本の挑戦 その二 インターネット・シフト/インターネットと「本」の統合
 /いかなる「本」を作るか

あとがき

著者紹介

中西秀彦 (ナカニシヒデヒコ)

1956年、京都府生まれ。京都大学文学部卒。マーケティング・リサーチ会社のコンピュータ部門に勤務したのち、1985年、父親が6代目社長を務める京都の老舗印刷会社〈中西印刷〉に入社。現在、専務。同時に、パソコン通信ニフティサーブにて“DTPと印刷フォーラム”を主宰。著書に、『活字が消えた日』(1994年)、『印刷はどこへ行くのか』(1997年、以上、晶文社)、『印刷屋の若旦那コンピュータ奮闘記』(1998年)、『印刷屋の若旦那コンピュータ奮闘記Part2』(2002年、以上、印刷学会出版部)がある。

著訳者の既刊本