散りたくない。
無形の情報に還(かえ)るにはまだ、わたしというものへの未練が濃い。
病気や障害などの事情で生身の体で生きることが難しくなった人々が、〈情報人格〉として仮想世界で暮らせるようになった近未来。情報人格の小春は、大学時代の同級生が集うパーティに出席するために「一日だけ体を貸し出してくれる」サービスを利用する。体を貸してくれたのは年の離れた大学生だった。ひとつの体を共有して、ふたりは特別な一日を過ごす。
第13回創元SF短編賞受賞作を含む瑞々しいデビュー作品集。
カゼニナルニハマダ 風になるにはまだ
未刊
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内容紹介
目次
「風になるにはまだ」
「手のなかに花なんて」
「限りある夜だとしても」
「その自由な瞳で」
「本当は空に住むことさえ」
「君の名残の訪れを」
「手のなかに花なんて」
「限りある夜だとしても」
「その自由な瞳で」
「本当は空に住むことさえ」
「君の名残の訪れを」