探索が始まったのは一枚の図書請求票と、ある典雅な男性からの慇懃な質問がきっかけだった。「卒爾ながら」男性は、ほんのごくわずかに会釈をしながら言った。「少々お時間を拝借させていただきたいが」
……ニューヨーク公共図書館に勤める20代の司書アレクサンダーは、ある金持ち老人から時間外の仕事の依頼を受ける。器械仕掛けや稀覯本のコレクションに熱をあげる老人は、蒐集物のひとつである18世紀の「形見函」の空の仕切りに、しかるべき品をおさめたいとの思いに取り憑かれていた。古い伝記を繙くと、その品とはマリー・アントワネット、つまり王妃の依頼を受けて作られた絢爛豪華な懐中時計であるとわかる。盗まれた時計をさがすアレクサンダーを陥れようと、老人が巧みに仕掛けた罠。そして著者が仕掛けた読者をも欺く罠とは? 『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』でのデビューから約10年、カーズワイル、驚異の続編で再び登場!
かたみばことおうひのとけい 形見函と王妃の時計
在庫なし
- 定価
- 4,180円(本体価格:3,800円)
- ジャンル
- レーベル
- 判型
- A5判上製
- ページ数
- 366ページ
- 初版
- 2004年7月30日
- ISBN
- 978-4-488-01640-1
- Cコード
- C0097
- オブジェ制作
- Fragment 西山孝司・柳川貴代/オブジェ撮影:杉浦敏男+小濱麗子(NEXT)
- 装幀
- 柳川貴代+Fragment