1959年秋、シリア。大学進学が認められたファリードは、友人の影響で共産主義青年同盟に入る。ラナーとは秘密裡に交際をつづけていたが、混乱を極める政情の中で秘密警察に逮捕されてしまう。そしてダマスカス郊外の収容所に送られ、日常的に虐待を受ける獄中生活が始まる。一方のラナーは、家族の卑劣な企てにより無理矢理結婚させられる。心を閉ざして結婚生活をやりすごそうとするが、ついに精神に変調を来しはじめてしまう。それぞれに訪れた地獄の先に待つものとは――。今世紀最大級の世界文学、堂々の完結。訳者あとがき=酒寄進一
アイノウラガワハヤミ 愛の裏側は闇〈Ⅲ〉
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