東京創元社60周年

 

わたしと東京創元社  乾石智子(作家)

 

月光ゲーム

ファウンデーション、レンズマン、ナルA、スター・キング、バルスーム。ああ、なつかしのスペースオペラよ。東京創元社に片恋のうん十年でした。あきらめなかった片恋が実って三年前に東京創元社に拾っていただき、スペースオペラからちょっとスライドしたファンタジーを書かせてもらっています。大変ありがたいことです。

 

「デビューして書きつづける」という目標がなんとかなったので、次の目標をうろうろとさがしていたとき、長谷川代表の「海外のファンタジーをもっと多くの日本の人に読んでもらいたい」という言葉が、天からの言葉のように降ってきました。翻訳調の拙著がそのきっかけになればいいのではないか、日本の読者にファンタジーのおもしろさがわかってもらえるようになるそのとば口として役にたっていけたらいいのではないか、とひらめきました。ゴールのない目標ですが、本作りに関わるたくさんの方々に支えていただきながら書きつづけていきたいと思っています。

 


■乾石智子(いぬいし・ともこ)
山形県生まれ。山形大学卒業。山形県在住。1999年教育総研ファンタジー大賞受賞。スターウルフで目を覚まし、コナン・ザ・バーバリアンから最初の一歩を助けてもらった。著作に『夜の写本師』『魔道師の月』『太陽の石』『オーリエラントの魔道師たち』『沈黙の書』『闇の虹水晶』『ディアスと月の誓約』『竜鏡の占人』などがある。