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15「シンディ眄 大丈夫眤」彼女を助け起こす。「追って眄」「何とんでもないこと言ってるのよ眤」「逃がすわけにいかないでしょ眄」「そんなことない盻眇」「くそっ眄」墓場荒らしは、墓地のはずれからいい香りを漂....

15「シンディ眄 大丈夫眤」彼女を助け起こす。「追って眄」「何とんでもないこと言ってるのよ眤」「逃がすわけにいかないでしょ眄」「そんなことない盻眇」「くそっ眄」墓場荒らしは、墓地のはずれからいい香りを漂わせているユーカリの木立の中へと消えていき、シンディは暴言を吐いた。泥と草まみれで、石竹色のヘアバンドも見当たらない。その二本の指からは、緑色のハロウィンのマスク盻眇すっかりのび切った、怖い顔のマスクがぶらさがっていた。「ったく眄 どうして追わなかったわけ眤」「だってクリプトに隠れてるようなやつだったのよ眄」「せめて特徴くらいは覚えてる眤」シンディは腹立たしげに唇を引き結んだ。 わたしは目を閉じた。「背が高くて……やせてて……緑色をしてた」「わかってるわよ」むすっとした顔で言われ、目の前でハロウィンのマスクを振り回された。「髪は白っぽかったと思うわ」逃げていく人影の首筋から、よれよれの髪がのぞいていたのを思い出しながら言ってみた。「カツラじゃなかったって自信あるわけ眤」「何て言うか、その、はっきり見えたわけじゃなかったから」いつもなら、この芸術家の目はどんなに細かな点も見逃さないけど、相手が、真夜中に墓地で遭遇した墓場荒らしともなると