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ミッシツトキセキ 密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー

密室と奇蹟

在庫あり

定価
1,320円(本体価格:1,200円)
ジャンル
  1. 国内ミステリ > アンソロジー
レーベル
  1. 創元推理文庫(M)
判型
文庫判
ページ数
460ページ
初版
2020年8月12日
ISBN
978-4-488-40061-3
Cコード
C0193
文庫コード
M-ん-10-1
装幀
東京創元社装幀室

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内容紹介

本格黄金期を代表する作家として、クリスティ、クイーンと並び称されるJ・D・カー(カーター・ディクスン)。2006年、密室と不可能犯罪の巨匠の生誕100年を祝して執筆されたトリビュート作品が、『夜歩く』発表より90年となる2020年に復活する──。真っ向勝負のパスティーシュから奇想に満ちた離れ業まで、多彩なバリエーションの7編で贈るアンソロジー、待望の文庫化。

目次

芦辺拓
「ジョン・ディクスン・カー氏、ギデオン・フェル博士に会う」

桜庭一樹
「少年バンコラン! 夜歩く犬」

田中啓文
「忠臣蔵の密室 」

加賀美雅之
「鉄路に消えた断頭吏(だんとうり)」
 
小林泰三
「ロイス殺し」
 
鳥飼否宇
「幽霊トンネルの怪」

二階堂黎人
「亡霊館の殺人」

著者紹介

芦辺拓 (アシベタク)

1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。著作は『綺想宮殺人事件』『スチームオペラ』『奇譚を売る店』『時の審廷』『異次元の館の殺人』『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』など多数。

加賀美雅之 (カガミマサユキ)

1959年、千葉県生まれ。公募アンソロジー『本格推理』に作品を発表後、2002年KAPPA-ONE登竜門の第一弾に選出された『双月城の惨劇』で長編デビュー。著作に『監獄島』『風邪果つる館の殺人』などがある。

小林泰三 (コバヤシヤスミ)

1962年、京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」が第10回SFマガジン読者賞(国内部門)を受賞し、同短編を表題作とした2002年刊の短編集は、第22回日本SF大賞候補作となった『AΩ(アルファ・オメガ)』に続き、第23回日本SF大賞候補作となる。『天獄と地国』、『ウルトラマンF』でそれぞれ第43回、第48回星雲賞(日本長編部門)を、また、『アリス殺し』で2014年啓文堂書店文芸書大賞を受賞する。他に『大きな森の小さな密室』『完全・犯罪』『クララ殺し』『ドロシイ殺し』『ティンカー・ベル殺し』『人外サーカス』『未来からの脱出』などの著書がある。2020年没。2021年、第41回日本SF大賞功績賞が贈られた。

桜庭一樹 (サクラバカズキ)

1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』と改題して刊行)で第1回ファミ通えんため大賞に佳作入選。以降、ゲームなどのノベライズと並行してオリジナル小説を発表。2003年開始の〈GOSICK〉シリーズで多くの読者を獲得し、さらに04年に発表した『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。05年に刊行した『少女には向かない職業』は、初の一般向け作品として注目を集めた。“初期の代表作”とされる『赤朽葉家の伝説』で、07年、第60回日本推理作家協会賞を、08年、『私の男』で第138回直木賞を受賞。著作は他に『ブルースカイ』『少女七竈(ななかまど)と七人の可愛そうな大人』『青年のための読書クラブ』『荒野』『ファミリーポートレイト』『製鉄天使』『道徳という名の少年』『伏』など。エッセイ集に《桜庭一樹読書日記》シリーズなどがある。

田中啓文 (タナカヒロフミ)

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒。93年『凶の剣士』が第2回ファンタジーロマン大賞に佳作入選、『背徳のレクイエム』と改題のうえ刊行してデビュー。同年、サックス・プレイヤーの永見緋太郎が登場する短編「落下する緑」が鮎川哲也編〈本格推理〉に入選。その後、ミステリをはじめとしてSFやホラーとジャンルを越えて活躍する。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」が第33回星雲賞を、09年「渋い夢」が第62回日本推理作家協会賞を、16年「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」が第47回星雲賞を受賞。主な著書に〈永見緋太郎の事件簿〉〈笑酔亭梅寿謎解噺〉シリーズのほか、『シャーロック・ホームズたちの冒険』『異形家の食卓』『こなもん屋うま子』『ウィンディ・ガール サキソフォンに棲む狐Ⅰ』『地獄八景』がある。

鳥飼否宇 (トリカイヒウ)

1960年福岡県生まれ。九州大学卒。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀作に選ばれてデビュー。07年『樹霊』が第7回本格ミステリ大賞の、09年『官能的――四つの狂気』が第62回日本推理作家協会賞の候補となる。『痙攣的――モンド氏の逆説』をはじめとする異色の本格ミステリの書き手として、斯界で独自の地位を築く。主な著書に『太陽と戦慄』『このどしゃぶりに日向小町は』『物の怪』『迷走女刑事』などがある。

二階堂黎人 (ニカイドウレイト)

1959年東京都生まれ。中央大学卒。1990年、第一回鮎川哲也賞に『吸血の家』で佳作入選。1992年、名探偵・二階堂蘭子を主役に据えた『地獄の奇術師』でデビュー。『悪霊の館』『人狼城の恐怖』『猪苗代マジック』『カーの復讐』『鬼蟻村マジック』など著作多数。

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