その戯曲を読んだ者は、悉く黄衣の王ハスターに魂を奪われる。『ネクロノミコン』に並ぶ魔書にまつわる四編に、本邦初訳の魔術と陰謀に満ちた華麗なる長編「魂を屠る者」併載。
人間の赤裸々な欲望、妄執を巧みな文章で書き綴った、著者の真骨頂。赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末は果して。切ない余韻の残る連作短編集。
衆目の前で謎の失踪を遂げた花嫁を探し、悪魔崇拝者の教団と対決するジュール・ド・グランダン。「ウィアード・テイルズ」誌で大人気を博したシリーズ唯一の長編、本邦初訳。
超未来の大陸ゾティークを舞台に終末世界の頽廃を描きだした傑作群を、本邦初となる決定版で贈る。官能の美と絢爛たる夢想を綴った、ラヴクラフトの盟友による怪奇小説集。
“心霊博士”でもあるサイレンス医師のもとを訪れる、超自然現象に悩む患者たち。前世の記憶から猫の町に引き寄せられた男の怪しい体験談ほか、連作全6編を完全新訳で贈る。
邪神の強襲により、10年に亙り行方知れずとなっていたクロウが、ついにロンドンに戻ってきた。彼がつかんだ、旧支配者誕生にまつわる驚愕の秘密とは? 待望のシリーズ第2弾。
心霊学者モンタギュー博士の調査のため、幽霊屋敷と恐れられる〈丘の屋敷〉に招かれた3人の協力者。次々と怪異が起きる屋敷に、協力者の一人、エレーナは……
怪奇版シャーロック・ホームズと称される怪奇探偵ものの名作を完全新訳。電気五芒星を駆使して怪奇に挑むゴーストハンターの活躍。本邦初訳一編を含むシリーズ全10編。
ラヴクラフトによる共作・補作を網羅した、文庫版全集最終巻。「博物館の恐怖」「永劫より」「エリュクスの壁の中で」「夜の海」ほか全十二編に、上下巻収録作品の解題を収録する。
自然のバランスがくずれ凶事が起こるとき、前兆として現れるのがモンスターである。様々なタイプの怪物が登場する『ウルトラQ』的な名作を精選。本邦初訳作5篇を含む全10篇。
ラヴクラフトと新鋭たちの共作を執筆年代順に別巻二冊に網羅する。連続猟奇殺人犯の異常心理を内面から描破した、サイコホラーの先駆的作品「最愛の死者」ほか十二編を収録。
家族が殺されたこの館で、あたしたちはとても幸せに暮らしていた。でも、あいつ(傍点)の訪問をきっかけに、美しい楽園の何かが狂いはじめる……。少女恐怖小説の名編、新訳で登場。
貸本屋、鉱石ラジオ、秘密基地……毎日が物語のようだった、遠く懐かしいあの時代。少年たちはいくつもの不思議に遭遇する。短編の魔術師が贈る、郷愁と怪異の連作短編集。
ベルギーを代表する幻想小説作家による、『黒い玉』と対を成す珠玉の短編集。霧深い夜、宿を求めた酒場で行われていたのは、雌豚を見に行く権利を賭けた奇妙なゲーム。それに勝ち、納屋に案内された男が見たものとは――
"書かれるべきではなかった、読む者の正気を失わせる小説"と評された、戦慄の恐怖譚「黄色い壁紙」ほか、英米の淑女たちが優美かつ繊細な手で紡ぐ怪奇短篇の傑作12篇。
古今東西の名作を網羅する決定版アンソロジー完結編。自殺者の相次ぐホテルの謎を解こうとする医学生が出会う怪異、エーヴェルス「蜘蛛」など全9編。新版解説=沼野充義
最愛の妹を亡くした女、雨の渋谷で死んだ同級生を思い出す男、満たされぬ思いから窃盗を繰り返す女、この世のものならぬ美女と遭遇した少年……、赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末ははたして。
麗訳で贈る、怪奇小説の決定版アンソロジー。ジャン・ロラン「仮面の孔」など21編に加え、澁澤龍彦の70枚に及ぶ力作解説を収録。
夕暮れどきの宿で、椅子の下へ跳び込んだ奇妙な“黒い玉”。正体を探ろうとした男を待っていたのは──。ベルギーを代表する幻想派作家による十四の怖い話、気味の悪い話。
どこにでもありそうな日常の風景、どこにでもいそうな普通の人々、ほんの少しの歪み。都会の片隅で繰り広げられる、ブラックユーモアのスパイスをきかせたホラー短編集。