「みんな飛び下りて死んじゃった。なんでだろう?」中高一貫の女子校で、高三の生徒が屋上から墜落死した。先輩の死を不思議に思った海生は、友人の双葉と共に真相を探り始める。様々な噂が飛び交う中、国語教師も同じく墜死した。小説家志望だった彼は、死んだ女生徒と小説を書いていたが、死の直前に新人賞受賞を辞退していた。ある雑誌の作品中に自作と同じ文章を発見したからだ。何故そんなことが? すべてに一生懸命だった少女たちの物語。著者あとがき=ほしおさなえ/解説=笠井潔・久美沙織
ほしおさなえ
(ホシオサナエ )1995年「影をめくるとき」が群像新人文学賞小説部門で優秀作となり、以来「大下さなえ」名義で小説を発表。2003年『ヘビイチゴ・サナトリウム』の発表を機に、「ほしおさなえ」に改名。著作は他に『天の前庭』『モドキ』、詩集に『夢網』などがある。